今回はドル建てでオーストラリア株に投資することができる豪ADRのウエストパック・バンキング(WBK)について解説します。
ADRって何?という方向けにこちらの記事でADRについて詳しく解説しています。

早速本題に入りましょう。
WBKの基本情報
※この情報は2019年12月31日時点の情報です。

株価:16.98USD
PER:12.76倍
PBR:1.28倍
配当利回り:7.08%!
WBKはオーストラリア4大銀行の一つです。
豪ADRなので、米国株のように二重課税が発生しない点は大きなメリットです。
特筆すべきは、オーストラリア4大銀行の不正会計問題によって、多くの機関投資家が4大銀行株を全て処分したり、手持ちを減らしたことで株価が大幅に下落していることです。
これに伴う業績不振により今期末からおよそ15%の減配が発表され、さらなる株価下落の要因となりました。
WBKの業績

右肩上がりだった売上も不正会計問題後、減少しています。
利益率には波があったものの、やはり不正会計問題を受けて下落しています。
不正会計関係の罰金支払い等で一時的な支出があったことによる業績悪化の側面もあるため、個人的には来期の業績は多少改善するものと予想はしていますが、ある程度の業績改善はすでに株価に折り込まれていると考えています。
WBKの配当金推移

近年は配当金は概ね横ばいですが、配当性向は上昇傾向にありました。
減配発表前には配当性向は90%以上になっています。
2020年1月現在、配当利回りは7%を超えていますが、今までの流れからも、今後、EPSに応じて配当金額を柔軟に変化させていくものと思われます。
WBKの財務面

営業CF、フリーCF共に2018年に一時的に回復しましたが、2019年には再び減少しています。
安定しないキャッシュフロー推移ですが、来期にどこまで回復できるかがカギとなりそうです。
WBKのROE・ROAの推移

ROEは右肩下がりですが、10%は切っていません。
ROAも右肩下がりではありますが、ROEほどの下落率ではありません。
財務レバレッジは減少傾向にあり、負債の割合は少しずつ下がってきています。
自己資本比率は約7%と低めですが、銀行株なので平均的な値です。
WBKへの投資方針
不正会計問題と、それに伴う業績不振及び減配がどこまで尾を引くかが最大の問題点となりそうです。
最近では株価は若干下げ止まり傾向にあるので、個人的には配当狙いで投資する価値はあると考えています。
オーストラリアでは人口増が期待されている一方、追加利下げが現実味を帯びていたり、GDPの伸びがいまいちだったりと、銀行株にとってマイナス要因も複数あります。
OXYと同様に、配当利回りだけをみてこの銘柄だけに集中投資するのは全くお勧めできません。
ポートフォリオの一部に組み込む程度にしておきましょう。
前回のOXYの銘柄分析はこちらから
