今回の記事では、株式投資をやっている人なら一度は見たことがあるPBR、PER、ROEという3つの指標の関係性について見ていきます。
PBR、PERは銘柄の割安度を判断するための指標です。
PER、PBRって何?という方はこちらの記事で詳しく解説しているので、まずこちらを読んでからこの記事を読み進めることをおすすめします。

ROEとは?
ROEはReturn On Equityの略で、企業が自己資本を使ってどれだけ効果的に利益を挙げられているかを判断する指標です。
計算式は次の通り。
ROE(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
このROEが高ければ高いほど、自己資本から効率的に利益を挙げられているというとになります。
PER、PBR、ROEの関係性
一見、割安度を測るPER・PBRと自己資本の収益率を測るROEはあまり関係なさそうに見えますが、次の計算式でこれら3つの指標の関係性を示すことができます。
PBR = PER × ROE
PBR = PER × ROEの意味とは?
例えばPBRが0.5倍の銘柄があったとします。
PBRが0.5倍ということは、例えば純資産が100万円とすれば時価総額は50万円ということです。
理論上、その会社が発行している株を50万円で全部買って、会社ごと自分のものにした後、その企業が持っている純資産を100万円で売りはらえばそれだけで50万円の利益が出るという状態なので割安と言えますよね。
では、先ほどの計算式に具体的に当てはめて見ましょう。
一例としてPERが50倍の場合で考えてみます。
PBR = PER × ROE
PBRは0.5、PERは50倍なので、
PBR0.5倍 = PER50倍 × ROE1%
という式が成立します。
PBRだけ見ると0.5倍というとても低い水準でしたが、ROEは1%と非常に低い水準であるにも関わらず、PERは50倍と異常に高くなっています。
こう見るとどうみても割高に見えませんか?
では、次はPER5倍で計算してみましょう。
PBR0.5倍 = PER5倍 × ROE10%
PBRは先ほどと同じ0.5倍で、これだけ見るとやはり割安に見えます。
PERは5倍とこちらもかなりの割安に見えますね。
次にROEは10%と先ほどと比べてかなり高い水準にあることが見て取れます。
PBRはどちらも同じ0.5でしたが、前者はかなり割高、後者はかなり割安に感じたはずです。
つまり、PBRやPER単独で割安感を測るのではなく、PBR = PER × ROEという計算式を理解し、PBR、PER、ROE全てを見て割安感を判断することが重要だということです。
具体的な銘柄で見てみよう
例えば、(9434)ソフトバンクのPBRは6.3倍です。
これだけ見ると割高に見えます。
では、先ほどの式にPERとROEを当てはめてみましょう。
PBR6.3倍 = PER13.51倍 × ROE46.7%
PERは13.51倍と適正値であり、ROEは46.7%とかなり高い利益率です。
PBRだけみていると割高に見えても、この公式に当てはめてPER、ROEを合わせてみることで割安感がより正確に分かります。
この式を使うときの注意点
自己資本の割合が少ない会社ほどROEが高くなる
ROEだけでなくROAもチェック
売上高、利益、キャッシュフローの推移からでROEの価値を判断
ROEの計算式は
ROE(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
でした。
この式を見てわかる通り、ROEを上げるためには、「当期純利益を上げる」、「自己資本を少なくする」という2通りの方法があります。
自己資本の少ない企業であればROEは高めになる傾向がありますが、自己資本が少ないということは負債の比率が多いということになります。
負債を使ってうまくレバレッジを効かせて利益を伸ばしていると判断できる場合はいいのですが、そうでないのに借金体質である場合には注意しましょう。
マヤカシのROEを見破るためには、ROAもチェックしておくべきです。
ROEが「自己資本でどれだけ効率的に利益を挙げているか」を判断する指標であるのに対して、ROAは「総資産でどれだけ効率的に利益を挙げているか」を表す指標です。
総資産なので、自己資本だけでなく借金も含まれます。
自己資本の多寡で数字をコントロールできるROEと違って、ROAはごまかしが聞きません。
そのため、自己資本が少ない企業であるほどROAもチェックするようにしましょう。
また、自己資本の割合が少ない企業でROEが高水準の場合、売り上げを伸ばして利益を挙げられているか、キャッシュフローが増えているかをチェックすることで、借りたお金を使ってうまくレバレッジを効かせられているか判断することができます。
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