投資をしているとやたらキャッシュフローとかCFという単語を見かけませんか?
SBI証券の株アプリからキャッシュフロー部分を抜粋して見ました。

直訳で「現金の流れ」なのはなんとなく分かるけど、具体的にはよく分からない、という人は少なくないのではないでしょうか。
キャッシュフローを見ることで企業の財務が優良、それとも経営難に陥っているのかということを判断することができます。
今回は、今更聞けない株式投資における4つのキャッシュフローの意味とその分析方法について解説します。
Contents
キャッシュフローとは
キャッシュフローとは文字通りお金の流れのことです。
例えば、A君が100円のジュースを買ったとき、財布から100円が消えてしまったわけですから、キャッシュフローは100円のマイナスとなります。
その後、A君はそのジュースを150円で買ってくれる人に出会いました。
ジュースを渡し、150円を受け取ったとき、これまで−100円だったキャッシュフローに150円が収入として加わるので、A君のキャッシュフローは50円になりました。
このように、入ってきたお金と出て行ったお金の差額のことをキャッシュフローというのです。
当然このキャッシュフローが多ければ多いほど、財務の状態は良いということになります。
逆にこれがマイナスになっている場合は、財務状況は悪化していると判断することができます。
4つのキャッシュフロー
営業キャッシュフロー
投資キャッシュフロー
財務キャッシュフロー
フリーキャッシュフロー
順番に解説していきます。
営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローとは企業が営業活動によって得たキャッシュフローのことです。
つまり、今年その企業がどれくらいのキャッシュフローを生み出したかという数値です。
先ほどのジュースの例に例えると、100円で買ったジュースを150円で売却したことで生み出された50円が営業キャッシュフローに当たります。
これが安定して増えていれば、企業としては財務が健全であるということになります。
一方で、フリーCFがマイナスになるということは、手元にある現金が足りていないということなので、借金をしたり、手持ちの資産を売却したりと、事業を継続するためになんとか現金を集める必要が出てきます。
何年も営業キャッシュフローがマイナスになっているような会社は経営がうまくいっていない可能性が高いので安易に投資しないよう注意しましょう。
投資キャッシュフロー
投資キャッシュフローとは、設備投資や株、債券などの購入または売却の際の現金の流れのことです。
先ほどのジュースの例に例えると、ジュースの販売が軌道に乗り、営業キャッシュフローが順調に成長し、A君のキャッシュフローは10万円を達成したとします。
その後、A君はさらなるジュースの売り上げ向上を目指してこの10万円のうち、8万円を使って自動販売機を買うことにしました。
この時、8万円が財布から出て行ってしまった訳ですから、投資キャッシュフローは−80000円となります。
財務キャッシュフロー
財務キャッシュフローとは、財務活動によるキャッシュフローのことです。
借金をしたり、借金の返済をしたとき、また、株主に配当金を支払ったときなどが
先ほどのジュースを例に取ると、A君はジュースの仕入れ代としてBさんから借りていた2万円の借金を返済したとします。
このとき、手元にある現金が減った訳ですから、財務キャッシュフローはマイナスとなります。
フリーキャッシュフロー
フリーキャッシュフローとは、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの合計値のことを言います。
先ほどのジュースの例で言えば、営業キャッシュフローが10万円、投資キャッシュフローが~8万円ですから、20000円(100000+(−80000))がフリーキャッシュフローとなります。
この20000円は借金の返済に充てたり、新たな投資に当てるなど、A君が自由に使えるお金であることから、フリーキャッシュフローと呼ばれています。
キャッシュフローを用いた財務分析
キャッシュフローについて理解したところで、このキャッシュフローを実際の株式投資にどのように活かせばいいのかという問題が生じます。
次の通り、キャッシュフローの見ておくべきポイントをまとめました。
営業CFはプラスか
投資CFのマイナス分を営業CFで補えているか
数年連続でフリーCFがマイナスになっていないか
財務CFはマイナスか
財務CFがプラスであれば投資先は問題ないか
順番に解説します。
営業CFはプラスか
これをチェックしておかなければならないのは言うまでもありません。
営業CFがプラスということはそれだけ企業経営によってお金が入ってきているということです。
逆にマイナスであれば、企業が保有する現金が目減りしているということになります。
数年連続で営業CFがマイナスであれば、投資対象としてはあまり価値がない可能性が高くなります。
投資CFのマイナス分を営業CFで補えている(フリーCFがプラス)か
設備投資等を行う費用は営業活動によって得た現金の範囲内で行われた方が財務は健全だと言えます。
つまり、営業CF+投資CF=フリーCFがプラスとなるようにすべきなのです。
一方、投資CFのマイナス分を営業CFで補えないのであれば、何処かからお金を借りてくるしかありません。
「借金をしてでも将来に向けて投資を行う」というのは、場合によってはありだと思いますが、本当にその投資に価値があるのか見極める必要があります。
数年連続でフリーCFがマイナスとなっているのであれば、借金してまでした投資が失敗に終わっている可能性があるので、注意しましょう。
財務CFはマイナスか
財務CFは、借金やその返済、配当金の支払等の現金の流れです。
財務CFがマイナスということは、借金の返済が新しい借金を上回っているということです。
そのままいけば、いつか借金を返し終わるでしょう。
逆に財務CFが何年もプラスということは、借金が増え続けているということですので投資する際は注意しましょう。
逆に財務CFがプラスであっても、借金してより多くのお金を生み出してくれるところに投資しているのであれば高い成長性が見込める企業である可能性があると言えます。
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