投資信託、ETFって何?という方は、まずこちらの記事を読んでもらうことをお勧めします。

次の画像は、楽天証券の海外ETF保有残高ランキングです。

(引用元:楽天証券)
海外ETFの中でも特に人気が高いETFに、バンガード社のVT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)、VOO(バンガード®・S&P 500 ETF)、VTI(バンガード®・トータル・ストック・マーケットETF)があります。
楽天証券の保有残高ランキングにおいては、上記3銘柄がトップ3を飾っています。
投資信託においても、上記ETFを投資先とする、いわゆる楽天VTや楽天VTI、SBI・バンガード・S&P500インデックスファンドがトップクラスの人気を誇っています。
今回は、このVT、VTI、VOOという3つのファンドにマトを絞り、全世界株式への分散投資と米国株式への集中投資のどちらが優れているかということについて検証します。
各ファンドの概要
VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)
VTは、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスという全世界の株式指数に連動することを目標としたETFです。
VTを購入するだけでアメリカや日本、イギリスといった先進国から、インドや南アフリカと言った新興国までの47カ国、約8200銘柄に分散投資をすることができます。
VTの信託報酬は0.09%です。

(引用元:バンガードジャパン)
VOO(バンガード®・S&P 500 ETF)
VOOはS&P500に連動することを目標としたETFです。
S&P500はその名の通りアメリカを代表する500社の株価を元に算出される時価総額加重平均型株価指数です。
VOOを購入するだけ、アメリカの代表銘柄500社に投資することができます。
S&P500は、世界最高の投資家であるウォーレン・バフェット氏が投資を推奨していることでも有名です。
VOOの信託報酬は0.03%です。
(参考:バンガードジャパン)
VTI(バンガード®・トータル・ストック・マーケットETF)
VTIは、CRSP USトータル・マーケット・インデックスという指数に連動することを目標としたETFです。
CRSP USトータル・マーケット・インデックスとは、大型株から小型株まで、米国内のほぼ100%の銘柄の株価を元に算出される時価総額加重平均型株価指数です。
先ほどのS&P500が大型株を集めた指数であるのに対し、CRSP USトータル・マーケット・インデックスは中・小型株も含んだ株価指数であるため、よりリスク分散されていると考えられます。
VTIを購入するだけでアメリカ全体、約3600社に投資することができます。
VTIの信託報酬は0.03%です。
(参考:バンガードジャパン)
VOOとVTIの比較
下の画像をご覧ください。

(引用元:ヤフーファイナンス)
青い線がVTIの値動き、黄色い線がVOOの値動きを表しています。
見ての通りほとんど同じチャートを描いています。
VTIには中・小型株が含まれているとは言っても、時価総額の割合的にほとんどの投資先が大型株となってしまうため、同じような値動きになるのも当然といえば当然です。
また、どちらの信託報酬も同じ0.03%と違いがありません。
今回は、VOOとVTIには大差がないものとして、VTとVTIの比較を詳細に行いたいと思います。
全世界株式(VT)か全米株式(VTI)どちらに投資すべきか
VT(全世界株式)とVTI(全米株式)の投資先の比較
前述の通り、VTの投資先は、全世界47カ国の約8200社です。
これに対して、VTIの投資先は米国内のみ約3600社です。
分散という観点からいえば、VTの方が優れていると言えるかもしれませんが、銘柄数で見れば、VTIだけでも十分な分散投資が可能です。
次に、具体的にどんなセクター、企業に投資しているか見ていきましょう。
VT(全世界株式)

VTI(全米株式)

(引用元:バンガードジャパン)
VTとVTIの投資先を比較してみると、上位10銘柄はほとんど一致しています。
なお、全世界株式への投資を行うVTにおいても、上位10銘柄は全て米国企業です。
セクターに関しても順位のバラ付きはあるものの、パーセンテージはどれも同程度の数値を示しています。
VTの投資先

VTは、全世界株式への投資を謳っていますが、上の画像の通り、米国株への投資が55.3%も占めているので、VTとVTIの値動きの形的にはそれほど大きな乖離は見られません。
VT(全世界株式)とVTI(全米株式)のチャート比較

青い線がVTI、水色の線がVTを示しています。
これを見ると、チャートの形は似ているものの、明らかにVTI(全米株式)のパフォーマンスがVT(全世界株式)を上回っています。
VT(全世界株式)とVTI(全米株式)の手数料比較
大手証券会社では、VT、VTI、VOOといった代表的な海外ETFの買付手数料無料化が実施されているため、買付手数料はどれも差はありません。
VTは信託報酬が0.09%、VTIは信託報酬が0.03%です。
VTがVTIの3倍の手数料がかかることになります。
手数料面ではVTIに軍配が上がります。
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結局、全世界株式(VT)or全米株式(VTI)どっちに投資すればいいの?
結論としては全米株式(VTI)に投資すべきです。
最大の理由はリターンが大きいことですが、それ以外の理由は次の3点に集約されます。
米国企業は全世界に事業展開している
全世界株式に投資しても暴落時には米国株と同様に暴落する
VTI(全米株式)の方が低コスト
米国企業は全世界に事業展開している
例えば、コカコーラやアップルのような米国を代表する企業は全世界で事業展開しています。
新興国においても、今後経済成長すればするほどネットやスマホが普及します。
そうなると、GoogleのサービスやiPhoneを使う人が増えます。
米国内だけでなく、新興国の成長が米国のさらなる成長に繋がることが期待されるため、結局は米国に投資しておけばいいということになります。
全世界株式に投資しても暴落時には米国株と同様に暴落する
上記、VTとVTIの比較チャートの通り、2008年から2009年のリーマンショック時においては、VTもVTIも同じように暴落しています。
アメリカの不景気は世界に波及するのです。
暴落のリスクに関してあまり差がないのであれば、よりリターンが期待できる米国株に投資すべきです。
VTI(全米株式)の方が低コスト
前述の通り、VTの方がVTIよりも3倍高いコストがかかります。
金額に直せば微々たる差ですが、長期で投資するのであれば省けるコストは省くべきです。
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