株の割安度を測る指標としては、PERやPBRが有名です。
世界一の投資家ウォーレン・バフェットも過去にこれらの指標を使って投資をしていました。
PER、PBRについては、こちらの記事で考え方から詳しく説明しているので、「PERって何?」という方はこちらの記事を読んでからこの記事を読むことをお勧めします。

PER(株価収益率)にも弱点があります。
それは、その時点での割安度しか測ることができないということです。
「PERが50倍」と聞いてどう感じるでしょうか?
PERの平均値が概ね15倍と言われているので、「50倍は割高すぎて手が出しにくい」と感じる人が多いと思います。
しかし、それはあくまでその年の利益とその時点での株価から見た割高感であって、今後、その企業がそのPERに見合った成長をしていくことが予想されるのであれば、一概に割高とは言えないはずです。
例えばディズニーランドの運営会社であるオリエンタルランド(4661)のPERは60倍を超えていますが、過去にはPERが30倍や40倍の時代がありました。
その時に、
と判断して株を買わなかった人よりも、
と考えた人の方が、その後株価はうなぎのぼりとなったわけですから、結果的には正しかったと言えます。
もちろん、このオリエンタルランドのような極端な例は、今回紹介するPEGレシオを用いても判断は難しいと思います。
しかし、PERを見るだけでなく、今後の成長率を加味して割安度を判断するという考え方が大切なのです。
その判断を補助してくれるのが、PEGレシオという指標です。
今回は、PERを発展させたこのPEGレシオの計算方法と考え方について解説します。
Contents
PEGレシオとは?【PERだけでは割安度は測れない?】
PEGレシオとは、「PERに今後の利益の成長見通しを反映させた指標」です。
PEGレシオは次の計算式で計算できます。
PEGレシオ(倍) = 予想PER(倍) ÷ 予想利益成長率(%)
このPEGレシオが低いほど、成長率が高く割安であり、PEGレシオが高いほど、成長率が低く割高であるということになります。
一般的な判断基準は次の通りです。
1倍以下 割安
1倍〜2倍 適正
2倍以上 割高
PEGレシオの考え方
具体的に銘柄で見ていきましょう。
下の画像をご覧ください。

(引用元:楽天証券iOSアプリ iSPEED)
(9684)スクエア・エニックス・HDのコンセンサス情報の画面です。(2019年12月7日時点)
スクエア・エニックス・HDのPERとPEGレシオは次の通りです。
予想PER=25.75倍
PEGレシオ=0.66倍
これを、先ほどの計算式に当てはめると、
PEGレシオ(0.66倍)=PER(25.75倍)÷利益成長率(39%)
となります。
つまり、39%という高い利益成長率があれば、PER25.75倍でもPEGレシオは0.66倍となり、一概に割高とは言えないということになります。
このように、PERだけ見てその時点では割高と感じたとしても、PEGレシオを見て今後の成長を加味することで本当に割安な株を見つけるための一つの判断材料とすることができます。
PEGレシオを使うときの注意点
注意点は次の2つです。
PEGレシオがマイナスの場合、判断材料として使えない
PEGレシオは未来予測に過ぎない
PEGレシオがマイナスの場合、判断材料として使えない
PEGレシオがマイナスになるときとは、利益成長率がマイナスになるときです。
例えば、PER15倍に対し、利益成長率が−5倍としましょう。
PER15倍÷(利益成長率−5%)=PEGレシオ−3倍
となります。
マイナスとなった場合、PEGレシオで割高か割安かの判断はできません。
利益成長がマイナスになっている時点で割高かもしれないし、PERが異常に低ければ、少しのマイナスで済んでいるから割安と言える可能性もあるからです。
PEGレシオは未来予測に過ぎない
利益成長率、つまり「今後どのくらい利益が伸びていくか」、という数字はあくまで予想に過ぎません。
予想が大きく外れることも十分にあり得ますし、実際に今までにも予想外の下方修正はたくさんありました。
「PEGレシオが低いから買う」というのではなく、あくまで判断のための一つの材料として使うことをおすすめします。
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