ども、はるまきです!
突然ですが、「バイアス」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
バイアスとは、人の心の中にある偏った思い込みのことを言います。
人がお金に対して誤った判断をしてしまうとき、多くの場合、このバイアスが関係しています。
人は、バイアスによって、知らず知らずのうちに損をしてしまっているのです。
今回は、お金とうまく付き合っていくために理解しておくべきバイアスについて、そして、そのバイアスを避け、お金に関して正しい判断をする方法について解説します。
Contents
理解しておくべきお金にまつわる4つのバイアス
- 相対思考バイアス
- 滅多に起こらないことバイアス
- 損失回避バイアス
- 後悔回避バイアス
1.相対思考バイアス
ここで問題です。
あなたは主婦です。今日の晩御飯はカレーにしましょう。
家から車で10分のところにあるスーパーにやってきました。ここでは、カレーの具材一式、2000円で買うことができます。
しかし、このとき、あなたは気づきました。
このスーパーからさらに10分走ったところにあるスーパーでは同じ具材を1000円で買うことができるのです。
さて、どっちのスーパーで買い物しますか?
多くの人はさらに車を10分走らせて1000円の具材を買うのではないでしょうか。
次の問題です。
家から車で10分のディーラーで5,001,000円の車を買うことにしました。
このときあなたは気づきました。
ここから10分車を走らせた先にあるディーラーでは、同じ車が5,000,000円で売られているのです。
さて、どっちの車屋さんで買いますか?
「1000円くらいだったらこっちで買っちゃうか」と思った人が多いのではないでしょうか。
どちらの例も、同じ1000円の違いですが、感覚が違うことがわかると思います。
1000円という価値は同じであるにもかかわらず、元の定価が大きくなればなるほど、1000円というお金の価値は小さくなるように感じます。
これを相対思考といいます。
大きいものを買うときほど人は付属コストに無頓着になり、合理的な判断ができなくなってしまいます。
2.滅多に起こらないことバイアス
9.11のハイジャックテロが起こったときのことを思い返してください。
当時、多くの人がテロを恐れて飛行機をキャンセルしました。
あれだけ衝撃的な事件ですから、飛行機に乗りたくないという気持ちは理解できますよね。
ところで話は変わりますが、あなたがマイカーで通勤しているとして、「明日は交通事故が怖いからやっぱり車には乗らない」と考えて車に乗らなかったことはありますか?
初めて車に乗るペーパードライバーならまだしも、乗り馴れた車で、そう考えることはまずないでしょう。
これは確率の話です。
テロが起こる確率は交通事故が起こる確率に比べても著しく低いのです。
具体的には、「テロリストが年間50回以上テロを決行し、かつ、その50回中毎回乗客全員を皆殺しにする」ということをしない限り、テロが起こる確率は交通事故が起こる確率にすら匹敵しないのです。
つまり、ほぼあり得ないことであるにもかかわらず、多くの人が飛行機をキャンセルし、損をすることを選んだわけです。
これを滅多に起こらないことバイアスと言います。
これを巧みに利用したビジネスが「保険」です。
滅多に起こらないにもかかわらず、払う必要のないお金を払って損していませんか?
3.損失回避バイアス
アメリカの行動経済学者、ダニエルカーネマンの有名な実験を紹介します。
まず、みなさんが10万円もらったとします、次にコイン投げをして裏表を当ててもらいます。
「コイン投げをしてもらい、裏表を言い当てることができたら追加で10万円もらえます。裏表を言い当てることができなければ、今の10万円だけ持って帰ってください(勝てば20万、負ければ10万円持って帰れる)」
「またはコイン投げをしないという選択もできます。この場合、確実に追加で5万円を差し上げます。(確実に15万円分持って帰れる)」
みなさんならコイン投げをしますか?
この場合、多くの人がコイン投げをせず、確実に15万円を持って帰るそうです。
では次の実験です。
まず、みなさんが、20万円もらったとします。
「コイン投げをして、勝ったらそのまま20万円持って帰れます。負けたら10万円分返してもらいます。」
「コイン投げをしないという選択をした場合、確実に5万円返してください。」
こうすると、多くの人がコインを投げるそうです。
どちらの実験も、コインを投げた場合、投げなかった場合に持って帰ることができる金額は同じです。
しかし、結果は真逆となりました。
最初の実験では、「コインを投げなければ、確実に5万円得をする。」、
2回目の実験では、「コインを投げなければ、確実に5万円損をする。」
人は、「得をしたい」という気持ちよりも「損をしたくない」という気持ちが強いため、1回目の実験ではコインを投げず、2回目の実験ではコインを投げたのです。
これが損失回避バイアスです。
カーネマンによると、「得をしたい」という気持ちより、「損をしたくない」という気持ちが2倍も強いそうです。
商売をするときにもこの心理を利用して、この商品は「お得だ」と思わせるより、「買わなきゃ損」と思わせるようにすれば、商品は売れやすくなるということです。
逆に消費者の立場からすれば、「〇〇しないと損しますよ」と言われた時は、しっかりとその商品を見極める必要があるということです。
絶対に損しない副業についてはこちらの記事で解説しています。

4.後悔回避
オランダのティルブルフ大学の研究です。
まず、被験者に宝くじを買ってもらい番号を確認してもらいます。
その後、被験者に対し、「オマケをつけるから宝くじを交換して欲しい」と申し出るのです。
宝くじの当選番号はその時点ではわからないわけですから、プラスでオマケがついてくるのであれば交換した方が明らかに得なのにもかかわらず、交換した人は56%だけでした。
ちなみに番号を確認する前ならほとんどの人が交換するようです。
番号を確認してしまうと、もしその宝くじが当選していたときに、後悔することが想像できてしまうからです。
このように、後悔回避バイアスによって、後悔することを避けることで、逆に損をしてしまっているのです。
オランダではこの心理を巧みに利用した郵便番号宝くじというものがあります。
これは、毎年どこかの郵便番号が当選番号となるのです。
もし、宝くじを買っていないときに自分の郵便番号が当たっていたら、と考えると、宝くじを買ってしまいますよね。
宝くじを買わなかったことによる後悔を避けるために、宝くじを買ってしまうのです。
ちなみに保険もこの心理を利用しています。
「いざあなたの身に何か起こったときに、保険に入っていないと後悔しますよ?」
そんな営業トークにはもう騙されませんよね?
ドキっとした人にはこちら。自分を変えるための心理学について解説しています。

バイアスを避け、正しい判断をする5つの方法
これまで紹介したように、人はお金に関して様々なバイアスに支配されており、知らず知らずのうちに損をしてしまっているのです。
逆に言えば、このバイアスを理解し、コントロールすることでお金に対して正しく判断することができるのです。
- バイアスについて勉強し続ける
- 選択肢を一つずつ吟味する
- 失敗する前提で考える
- 決めることを細かく分割する
- 決断をする前の段階で結論を決めておく
1.バイアスについて勉強し続ける
バイアスについて勉強し、その存在を知っておかないと、バイアスを避けることはできません。
また、一度勉強して終わりではなく、勉強し続けることが大切です。勉強をし続けないと、再びバイアスに左右されるようになります。ラボの実験でもこれが確認されています。
2.選択肢を一つ一つ吟味する
A、B、C、Dという選択肢があったとして、その中からどれを選ぶか決めるのではなく、それぞれの選択肢を一つ一つ吟味することが大切です。
例えば仕事を決めるときに、
「A〜D社の中だとA社が最も給料が高いからA社に就職しよう」
という決め方ではなく、
「A社は確かに給料は高いけど、この先A社の業種からしてあまり成長は見込めなさそうだし、そもそも自分がやりがいを持てそうにない業種だよなぁ」
などと、一つ一つに対し、しっかり考えることで、新しい視点が生まれます。
この視点が見えてくることで、本当に自分に必要なものを選ぶことができるのです。
3.失敗する前提で考える
「自分はなぜ失敗するのか」、「自分はなぜ間違っているのだろうか」、「もし自分が間違っているとしたらどこが間違っているのか」、「それによって失敗するとしたらそのように失敗するか」と前向きにネガティブなことを考えましょう。
自分が「こうだ!」と思ったことに真逆の視点を与えているわけです。
こうすることで自分の選択が正しいかどうか見えてくるのです。
4.決めることを細かく分割する
決断しなければならないことが一つあったとしても、それを細かく分割して判断回数を増やすことで新しい視点が生まれます。
例えば、会社を辞めるという判断をするときに、その理由を「同僚との関係」「上司との関係」「給料の問題」「会社の成長性」・・・などと細かく分割してそれぞれを判断することで新しい視点を自分に与えることができ、バイアスを避けることにつながるのです。
5.決断をする前の段階で結論を決めておく
人は何かを選択をする時点でバイアスに囚われてしまっているものです。
とっさの選択では冷静な判断ができなかったり、目の前にある手近な選択肢を取ってしまいがちです。
そのため、選択をするよりも前の段階で、「こうなったらこうする」というように決めておけば良いのです。
例えば、「買わなきゃ損、と思ったら自分を疑う」などとルールを決めておくのです。
まとめ
バイアスを避けるコツは自分に新しい視点を与えることです。
お金が貯まらないなどの悩みがある人は、まずバイアスという存在を意識しておくだけでも無駄な支出を減らして、豊かになることができます。
特に、これらのバイアスを利用した保険への加入については慎重になりましょう。
「みんなが入っているから」とか「安心だから」と言った安易な理由で契約するのではなく、本当に必要かどうかを判断できるようになりましょう。
保険については、こちらの記事で紹介しているリベラルアーツ大学のコンテンツで詳しく解説されています。

今日はこの辺で!
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